【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)業績の状況 2023年3月期第2四半期連結累計期間は、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響が残るものの、経済回復の兆しが見られました。しかしながら、原材料費・燃料費の高騰や中国の一部都市でのロックダウンなど、先行きは依然として不透明な状況が続いております。 このような事業環境の中、当社グループは、フィルム中心の物質的製造とデジタルツイン中心の非物質的製造の融合により、地球環境と技術にこだわる総合製造サービス業を目指し、2023年3月期より3ヶ年(2023年3月期~2025年3月期)の第5次中期経営計画を策定しました。環境フレンドリーで継続的かつ収益性の高いグローバル企業を目指し、事業を進めてまいります。 フィルム事業においては、タッチパネルインターフェイス関連製品とディスプレイを中心とした車載関連製品及び5G携帯端末に使用される電子部品向けの高付加価値製品の販売に努めましたが、新型コロナウイルス感染症の影響や半導体不足による世界的な自動車業界の生産低迷、大手スマートフォンメーカーの減産などの影響を受け、売上が前年比で減少しました。連結子会社のKIMOTO AG(スイス)では、車載ディスプレイ向け高付加価値製品の需要が増加し、KIMOTO TECH, INC.(米国)では、電子部品市場及び医療市場向けのプロジェクトが進行中で新規採用も進み、今後事業の更なる拡大を図ってまいります。デジタルツイン事業においては、土木・建築業界において、国土交通省の施策であるBIM/CIM原則適用に向けた3D案件の売上が増加しました。また国土強靭化事業におけるデータ整備は、天候不良によるデータ入手の遅れにより売上が減少しました。しかしながら、新規受注の増加にともない、連結子会社の瀋陽木本実業有限公司(中国)の稼働率が向上しております。引き続きワークフロー改革による品質と生産性向上を推進し、さらなる受注増加に備えてまいります。利益面は、高付加価値製品の販売強化、低収益品の統合及び生産業務効率化による製造原価低減に努めたことに加えて、連結子会社各社の業績改善が寄与し、増益となりました。これらの結果、当第2四半期連結累計期間における売上高は5,826百万円(前年同四半期比3.4%減)、営業利益は411百万円(同19.2%増)、経常利益は546百万円(同44.7%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は405百万円(同57.2%増)となりました。
※デジタルツイン:現実世界の物体や環境から収集したデータを用いて、仮想空間上に全く同じ環境をリアルタイムで再現し、現実世界と連動することです。仮想空間上で現実世界に近いシミュレーションが可能になることから、次世代のものづくりや、私たちの暮らしを始め、様々な分野で活かされ始めています。
※BIM/CIM:構造物を立体的に表現した3Dモデル(3次元のリアルタイム)をコンピューター上に再現し、設計・施工・維持管理などの情報を一元化して活用する仕組みです。BIM(Building Information Modeling)は建築物、CIM(Construction Information Modeling / Management)は土木構造物を対象としており、品質向上や業務(生産)効率化に役立てられています。
セグメントごとの業績は、次のとおりであります。
① 日本当第2四半期連結累計期間における売上高は5,064百万円(前年同四半期比8.0%減)、営業利益は413百万円(同9.8%減)となりました。
② 北米当第2四半期連結累計期間における売上高は429百万円(前年同四半期比71.1%増)、営業損失は71百万円(前年同四半期の営業損失は150百万円)となりました。
③ 東アジア当第2四半期連結累計期間における売上高は0百万円(前年同四半期比80.2%減)、営業損失は6百万円(前年同四半期の営業損失は11百万円)となりました。
④ 欧州当第2四半期連結累計期間における売上高は332百万円(前年同四半期比22.7%増)、営業利益は75百万円(同53.1%増)となりました。
(2)財政状態の分析当第2四半期連結会計期間末における資産、負債、純資産の状況は以下のとおりであります。なお、比較増減額はすべて前連結会計年度末を基準にしております。
(資産)総資産は前連結会計年度末に比べ237百万円減少し、23,581百万円となりました。主な変動要因は、商品及び製品の増加160百万円、ソフトウエア仮勘定の増加111百万円、受取手形及び売掛金の減少240百万円、流動資産その他に含まれる未収入金の減少120百万円、電子記録債権の減少118百万円であります。
(負債)負債は前連結会計年度末に比べ514百万円減少し、4,642百万円となりました。主な変動要因は、支払手形及び買掛金の減少187百万円、未払法人税等の減少142百万円、流動負債その他に含まれる設備関係債務の減少100百万円及び未払消費税等の減少65百万円であります。
(純資産)純資産は前連結会計年度末に比べ276百万円増加し、18,938百万円となりました。主な変動要因は、為替換算調整勘定の増加240百万円、利益剰余金の増加217百万円、自己株式の取得による減少188百万円であります。これらの結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ2.0ポイント上昇し、80.3%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前年同四半期連結累計期間に対して5.5%増加し、13,773百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは262百万円の資金の増加(前年同四半期連結累計期間は826百万円の資金の増加)となりました。主な増加要因として、税金等調整前四半期純利益546百万円、売上債権の減少415百万円があり、主な減少要因として、法人税等の支払額279百万円、棚卸資産の増加273百万円、仕入債務の減少235百万円がありました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは275百万円の資金の減少(前年同四半期連結累計期間は94百万円の資金の減少)となりました。主な増加要因として、定期預金の払戻による収入148百万円があり、主な減少要因として、定期預金の預入による支出239百万円、有形固定資産の取得による支出194百万円がありました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは376百万円の資金の減少(前年同四半期連結累計期間は141百万円の資金の減少)となりました。減少要因として、自己株式の取得による支出188百万円、配当金の支払額188百万円がありました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題について、重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は298百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。