【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国の経済状況は、世界的な金融引締めによる海外景気の下振れや、ウクライナ情勢の長期化による地政学リスクの高まりに加えて、物価高の長期化等が景気を下押しする懸念はあったものの、企業収益の改善を背景として、雇用情勢や所得環境が改善したことから緩やかな回復基調で推移いたしました。
当社グループが属する電子基板(※1)業界は、スマートフォン及びパソコン等の民生品やデータセンター向け製品の需要は低迷したものの、長期化していた電子部品の供給不足が回復傾向にあることから、EVや運転支援システム関連を中心とした自動車向けの需要がけん引し、引き続き堅調に推移いたしました。
このような経済環境の下、電子基板事業及び鏡面研磨機(※2)事業において販売は増加したものの、テストシステム事業及び産機システム事業において販売が減少したことから、売上高は減少いたしました。
これらの結果、連結売上高は1,761百万円(前年同四半期比0.2%減)と、前年同四半期連結累計期間に比べ2百万円の減収となりました。
損益については、電子基板事業及び鏡面研磨機事業において売上高が増加したことに伴う影響はあったものの、テストシステム事業及び産機システム事業の売上高が減少したこと、電子基板事業及びテストシステム事業の売上総利益率が低下したこと並びに人件費や広告宣伝費等の販売費及び一般管理費が増加したことに伴う影響により営業損失61百万円(前年同四半期は24百万円の営業損失)、経常損失41百万円(同18百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失33百万円(同10百万円の親会社株主に帰属する四半期純利益)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(電子基板事業)
高機能品FPC(※3)案件の減少から医療機器メーカー向けの販売、及び社内量産案件の減少からその他のセットメーカー(※4)向けの販売は減少したものの、産業用タッチパネル等の需要が堅調に推移したことによりディスプレイメーカー向けの販売、及び高機能モデルの開発が活発に行われたことによりカメラメーカー向けの販売が増加したことから、売上高は増加いたしました。損益については、仕入販売製品の増加等により売上総利益率が低下したこと及び人件費や海外拠点での売上増に伴う費用が増加したことにより減益となりました。
その結果、売上高1,316百万円(前年同四半期比4.8%増)、セグメント利益244百万円(同12.1%減)となりました。
(テストシステム事業)
パッケージ基板向け検査機の受注により外観検査機(※5)の販売は増加したものの、海外市場におけるFPC向け半自動機の大型案件の販売があった前年同四半期の反動減や国内外の電子基板メーカー各社において設備投資に慎重な動きがみられたことにより通電検査機(※6)の販売が減少したことから、売上高は減少いたしました。損益については、売上高減少に伴う影響により損失が拡大いたしました。
その結果、売上高180百万円(前年同四半期比20.8%減)、セグメント損失80百万円(前年同四半期は58百万円のセグメント損失)となりました。
(鏡面研磨機事業)
機械の修理・メンテナンスの受注が堅調に推移したことに加えて、リチウムイオン電池用フィルム加工向け等の研磨機及び研磨に使用する消耗品の販売が増加したことから、売上高は増加いたしました。損益については、売上高増加に伴う影響により黒字転換いたしました。
その結果、売上高152百万円(前年同四半期比37.8%増)、セグメント利益16百万円(前年同四半期は1百万円のセグメント損失)となりました。
(産機システム事業)
大型パッケージ基板の自動検査ライン及びローダー・アンローダー装置等のロボット案件は販売できたものの、検査システム事業における各種検査システムの販売及び治具関連や仕入販売製品が低迷したことから、売上高は減少いたしました。損益については、売上高減少に伴う影響はあったものの、前述のロボット案件が販売できたことにより損失が縮小いたしました。
その結果、売上高112百万円(前年同四半期比33.9%減)、セグメント損失14百万円(前年同四半期は29百万円のセグメント損失)となりました。
※1 電子基板
電子部品を表面に固定し当該部品間を配線で接続するために必要な導体パターンを、絶縁基板の表面のみ又は表面及びその内部に形成した板状又はフィルム状の部品であるプリント配線板と、プリント配線板に電子部品を実装したモジュール基板の総称。前者は材質によりリジッド板、FPC等に区分される。
※2 鏡面研磨機
素材表面の凹凸を砥石等で磨きこむことにより、素材表面を鏡のように加工する機器。
※3 FPC
Flexible Printed Circuit(フレキシブルプリント配線板)の略。プリント配線板の一種であり、ポリイミド等の屈曲率が高く薄い絶縁材料を支持体とした、柔軟に曲がる基板。
※4 セットメーカー
最終製品を供給する民生エレクトロニクスメーカー等の総称。
※5 外観検査機
プリント配線板やプリント配線板に部品を実装したプリント回路板等の外観状況を光学的に把握し、コンピュータを用いた画像処理によって良否を判断する検査を行う機器。
※6 通電検査機
プリント配線板及び半導体パッケージ向け基板の配線が設計のとおり接続されており、断線や短絡がないことを電気を通して確認する検査を行う機器。
② 財政状態の状況
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べ147百万円増加し、2,879百万円となりました。これは主として、流動資産のその他に含まれる前渡金が減少した一方、現金及び預金並びに棚卸資産が増加したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ43百万円増加し、2,106百万円となりました。これは主として、有形固定資産が取得により増加したものであります。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べ173百万円増加し、1,065百万円となりました。これは主として、流動負債のその他に含まれる未払金が減少した一方、短期借入金及び夏季の賞与を計上したことにより流動負債のその他に含まれる未払費用が増加したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ69百万円増加し、1,304百万円となりました。これは主として、長期借入金が増加したことによるものであります。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べ51百万円減少し、2,616百万円となりました。これは主として、利益剰余金が減少したことによるものであります。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、営業活動により使用した資金が38百万円、投資活動により使用した資金が80百万円、財務活動により獲得した資金が228百万円となり、その結果、資金は前連結会計年度末に比べ111百万円増加し、当第2四半期連結会計期間末には825百万円(前年同四半期比18.0%減)となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、38百万円(前年同四半期は101百万円の獲得)となりました。これは主として、減価償却費56百万円により資金が増加した一方、税金等調整前四半期純損失41百万円に加え、棚卸資産57百万円の増加及び売上債権35百万円の増加により資金が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、80百万円(前年同四半期は24百万円の使用)となりました。これは主として、補助金の受取額98百万円により資金が増加した一方、有形固定資産の取得による支出134百万円及び無形固定資産の取得による支出39百万円により資金が減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は、228百万円(前年同四半期は232百万円の獲得)となりました。これは主として、長期借入金の返済による支出168百万円により資金が減少した一方、長期借入れによる収入280百万円及び短期借入金の純増加額166百万円により資金が増加したことによるものであります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(6)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は38百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況について重要な変更はありません。
(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、運転資金需要のうち主なものは材料仕入、外注費及び人件費等の営業費用であり、運転資金及び設備資金等を自己資金にて賄うことを基本としておりますが、資金の安定及び効率的な調達を行うため、金融機関からの借入れ及び割賦契約による調達を行っております。また、取引銀行6行と当座貸越契約を締結しており、今後も資金の流動性に留意しつつ機動的な資金調達を行ってまいります。
なお、財務状況については、自己資本比率51.9%であり、健全な状態を確保しているものと認識しております。また、流動比率270.3%であり、十分な流動性を確保しているものと認識しております。