【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国の経済状況は、アフターコロナに向けた経済回復の気運が高まり、持ち直しの動きがみられたものの、ウクライナ情勢の長期化による原材料やエネルギー価格の上昇に加えて、物価の上昇や世界的な金融引締めによる景気の減速懸念等から、先行きが不透明な状況で推移いたしました。
当社グループが属する電子基板(※1)業界は、巣ごもり需要の反動によりスマートフォン及びパソコン等の民生品需要は低迷したものの、5G、EV及び自動運転等の成長分野において、旺盛な需要に対応できるよう東南アジア地域において新工場が建設される等、引き続き堅調に推移いたしました。
このような経済環境の下、産機システム事業において販売は増加したものの、電子基板事業、テストシステム事業及び鏡面研磨機(※2)事業において販売が減少したことから、売上高は減少いたしました。
これらの結果、連結売上高は808百万円(前年同四半期比3.3%減)と、前年同四半期連結累計期間に比べ27百万円の減収となりました。
損益については、産機システム事業において売上高が増加したことに伴う影響はあったものの、電子基板事業、テストシステム事業及び鏡面研磨機事業の売上高が減少したことや電子基板事業の売上総利益率が低下したこと、広告宣伝費等の販売費及び一般管理費が増加したことに伴う影響により営業損失73百万円(前年同四半期は29百万円の営業損失)、経常損失62百万円(同9百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失44百万円(同8百万円の親会社株主に帰属する四半期純損失)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(電子基板事業)
医療機器向けのFPC(※3)の需要に一服感がみられ、高機能品の案件が減少したこと及びセットメーカー(※4)向けの産業機器の社内量産案件が減少したことから、売上高は減少いたしました。損益については、売上高減少に伴う影響や仕入販売の増加により売上総利益率が低下したことから減益となりました。
その結果、売上高621百万円(前年同四半期比1.9%減)、セグメント利益98百万円(同30.5%減)となりました。
(テストシステム事業)
通電検査機(※5)の販売において機能向上を目的とした改造案件が増加したものの、国内外の電子基板メーカー各社が設備投資を抑制したこと及び当第1四半期に見込んでいた外観検査機(※6)の検収時期が第2四半期以降にずれ込んだことから、売上高は減少いたしました。損益については、売上高減少に伴う影響により損失が拡大いたしました。
その結果、売上高46百万円(前年同四半期比38.8%減)、セグメント損失55百万円(前年同四半期は42百万円のセグメント損失)となりました。
(鏡面研磨機事業)
機械の修理・メンテナンスの受注増はあったものの、大型案件の金属圧延加工向け研磨機の販売があった前年同四半期の反動減により、売上高は減少いたしました。損益については、売上高減少に伴う影響により損失となりました。
その結果、売上高50百万円(前年同四半期比37.3%減)、セグメント損失0百万円(前年同四半期は3百万円のセグメント利益)となりました。
(産機システム事業)
大型パッケージ基板の自動検査ライン等の販売ができたことから、売上高は増加いたしました。損益については、売上高増加に伴う影響により損失が縮小いたしました。
その結果、売上高90百万円(前年同四半期比93.2%増)、セグメント損失4百万円(前年同四半期は20百万円のセグメント損失)となりました。
※1 電子基板
電子部品を表面に固定し当該部品間を配線で接続するために必要な導体パターンを、絶縁基板の表面のみ又は表面及びその内部に形成した板状又はフィルム状の部品であるプリント配線板と、プリント配線板に電子部品を実装したモジュール基板の総称。前者は材質によりリジッド板、FPC等に区分される。
※2 鏡面研磨機
素材表面の凹凸を砥石等で磨きこむことにより、素材表面を鏡のように加工する機器。
※3 FPC
Flexible Printed Circuit(フレキシブルプリント配線板)の略。プリント配線板の一種であり、ポリイミド等の屈曲率が高く薄い絶縁材料を支持体とした、柔軟に曲がる基板。
※4 セットメーカー
最終製品を供給する民生エレクトロニクスメーカー等の総称。
※5 通電検査機
プリント配線板及び半導体パッケージ向け基板の配線が設計のとおり接続されており、断線や短絡がないことを電気を通して確認する検査を行う機器。
※6 外観検査機
プリント配線板やプリント配線板に部品を実装したプリント回路板等の外観状況を光学的に把握し、コンピュータを用いた画像処理によって良否を判断する検査を行う機器。
② 財政状態の状況
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べ151百万円増加し、2,882百万円となりました。これは主として、現金及び預金並びに棚卸資産が増加したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ56百万円増加し、2,119百万円となりました。これは主として、有形固定資産が取得により増加したものであります。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べ215百万円増加し、1,108百万円となりました。これは主として、短期借入金が増加したこと及び夏季の賞与引当金を計上したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ56百万円増加し、1,291百万円となりました。これは主として、長期借入金が増加したことによるものであります。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べ64百万円減少し、2,602百万円となりました。これは主として、利益剰余金が減少したことによるものであります。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前連結会計年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は20百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況について重要な変更はありません。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、運転資金需要のうち主なものは材料仕入、外注費及び人件費等の営業費用であり、運転資金及び設備資金等を自己資金にて賄うことを基本としておりますが、資金の安定及び効率的な調達を行うため、金融機関からの借入れ及び割賦契約による調達を行っております。また、取引銀行6行と当座貸越契約を締結しており、今後も資金の流動性に留意しつつ機動的な資金調達を行ってまいります。
なお、財務状況については、自己資本比率51.5%であり、健全な状態を確保しているものと認識しております。また、流動比率260.2%であり、十分な流動性を確保しているものと認識しております。