【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績
当第2四半期連結累計期間におけるグローバル経済は、新型コロナウイルス感染症からの回復が一段落したことに加え、インフレ、米中関係の悪化、ロシアによるウクライナ侵攻等の影響もあり、総じて伸び悩む結果となりました。
一方、わが国経済は、個人消費は物価高の影響を受けて期待ほどの伸びとならず、また当社グループが属する製造業は自動車関連など一部分野で生産動向が回復したものの、エネルギー・原材料・物流関連のコスト上昇等がマイナス要因となり、全体としては勢いに欠ける状況となりました。
このような事業環境下当社グループは、あらゆる状況変化への対応を速めるとともに、業務効率化を一段と推進し、収益確保と収益性改善に向けた施策を実施しました。
加えて、当期を最終年度とする中期経営計画“New Frontier 2023”(NF2023)で掲げた「成長を守る」という視点に立ち、将来に亘る「健全で持続的な成長」を実現するために、地政学リスクの増大に対応したサプライチェーンの見直し、半導体など成長市場に向けた製品競争力・供給能力の強化、DX(デジタルトランスフォーメーション)を柱とする攻守両面の企業改革等に取り組みました。
この結果、当社グループの当第2四半期連結累計期間の経営成績につきましては、売上高が311億8千2百万円(前年同期比5.4%増)、営業利益が38億7千4百万円(同1.7%減)、経常利益が40億6千4百万円(同2.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益が26億9千8百万円(同15%減)となりました。
なお、当第2四半期連結累計期間(6か月)における受注高は305億8千2百万円、当四半期末の受注残高は133億3千万円となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりです。
(シール製品事業)
シール製品事業は、機器市場向けが増加したものの、先端産業市場向けは半導体メモリーの生産調整及び半導体業界の設備投資見直しの影響を受けて減少したことにより、187億5千1百万円(前年同期比6.2%減)、セグメント利益は17億5千1百万円(同47.6%減)となりました。
(機能樹脂製品事業)
機能樹脂製品事業は、プラント市場向けが高機能化学品の輸送用途などで拡大したことに加え、先端産業市場向けにおける大型案件の売上計上が寄与し、売上高は108億5千8百万円(前年同期比35.6%増)、セグメント利益は21億1千2百万円(同240.1%増)となりました。
(シリコンウエハーリサイクル事業他)
シリコンウエハーリサイクル事業他は、新規事業分野を含むH&S事業は開発費用等が先行しているものの、主力事業の需要は堅調に推移し、売上高は15億7千3百万円(前年同期比0.9%減)、セグメント利益は1千万円(前年同期はセグメント損失2千1百万円)となりました。
②財政状態
当第2四半期連結会計期間末における総資産は751億3千7百万円となり、前連結会計年度末に比べ66億2千9百万円増加いたしました。流動資産は465億7千2百万円となり、53億4千1百万円増加いたしました。主な要因は、原材料及び貯蔵品の増加28億3千6百万円、現金及び預金の増加15億6千8百万円、受取手形、売掛金及び契約資産の増加10億3千万円等であります。固定資産は285億6千4百万円となり、12億8千7百万円増加いたしました。主な要因は、建物及び構築物の増加5億2千3百万円、有形固定資産のその他に含まれる機械装置及び運搬具の増加3億5千万円、リース資産の増加1億2百万円、投資その他の資産に含まれる退職給付に係る資産8千1百万円、投資有価証券の増加6千6百万円等であります。
負債は、276億6千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ48億3千3百万円増加いたしました。流動負債は178億3千7百万円となり、12億4千5百万円増加いたしました。主な要因は、短期借入金の増加11億4千6百万円、流動負債のその他に含まれる契約負債の増加5億1千7百万円、電子記録債務の増加1億5千1百万円、未払法人税等の減少6億7千3百万円等であります。固定負債は98億2千6百万円となり、35億8千8百万円増加いたしました。主な要因は、長期借入金の増加31億8千5百万円、固定負債のその他に含まれる繰延税金負債の増加2億4千9百万円等であります。
純資産は474億7千2百万円となり、前連結会計年度末に比べ17億9千5百万円増加いたしました。主な要因は、利益剰余金の増加11億1千8百万円、為替換算調整勘定の増加6億6千7百万円等であります。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の66.0%から62.5%となり、3.5ポイント低下しました。
(2)キャッシュ・フローの状況の分析
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ15億6千8百万円増加し、97億6千万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られた資金は、10億3千8百万円(前年同期比54.7%減)となりました。
これは主に、税金等調整前四半期純利益40億4百万円、減価償却費12億7千万円、棚卸資産の増加額27億7百万円、法人税等の支払額16億5千6百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、19億5千1百万円(前年同期は6億6千5百万円の支出)となりました。
これは主に、有形及び無形固定資産の取得による支出20億1千9百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果収入となった資金は、23億6千3百万円(前年同期は12億9千万円の支出)となりました。
これは主に、長期借入れによる純増額30億3千8百万円、短期借入れによる純増額10億円、配当金の支払額15億7千5百万円等によるものであります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に関する重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、6億1千5百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間における研究開発活動の状況について重要な変更はありません。
(6)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。