【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績
当第3四半期連結累計期間においては、ロシアによるウクライナへの侵攻が一段の資源高やモノ不足を誘発し、グローバル経済全体に大きな影響を及ぼしました。
わが国経済は、新型コロナウイルス感染症によって受けたダメージからの回復が期待されたものの、個人消費は円安の進行等に起因する物価高の影響を受けて伸び悩みが目立ち、また当社グループが属する製造業においては、海外におけるロックダウン、半導体及び部品の不足、原材料価格及び入手難易度の上昇等の要因により、一部の業種では一時的に生産への支障が生じる状況となりました。一方海外経済は、エネルギーをはじめとする物価高が顕著なものとなり、先行きへの警戒感が個人消費に悪影響を与え、また企業の生産活動の回復に向けた動きも鈍いものとなりました。
このような事業環境下当社グループは、当期から開始した2か年中期経営計画“New Frontier 2023”(NF2023)で掲げた「成長を守る」という視点に立ち、地政学リスクの増大に対応したサプライチェーンの見直し、半導体など成長市場に向けた製品競争力・供給能力の強化、DX(デジタルトランスフォーメーション)を柱とする攻守両面の企業改革等に取り組みました。
この結果、当社グループの当第3四半期連結累計期間の経営成績につきましては、売上高が456億6千1百万円(前年同期比18.0%増)、営業利益が65億2千6百万円(同40.8%増)、経常利益が67億2千4百万円(同39.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益が54億4千6百万円(同65.1%増)となりました。
なお、第3四半期連結会計期間(3か月)における受注高は145億円、当四半期末の受注残高は149億4千5百万円となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりです。
(シール製品事業)
シール製品事業は、半導体製造装置・デバイス向けなどの先端産業市場の売上が高水準の実績になったことに加え、国内のプラント定期修繕の動向を反映してプラント市場の販売も堅調に推移し、売上高は303億1千万円(前年同期比18.0%増)、セグメント利益は52億7千4百万円(同37.8%増)となりました。
(機能樹脂製品事業)
機能樹脂製品事業は、先端産業市場の売上が拡大したことに加え、一般産業機器や輸送用機器向けなどの機器市場及び高機能化学品用などのプラント市場の販売も増加し、売上高は130億5百万円(前年同期比18.4%増)、セグメント利益は12億9千8百万円(前年同期比38.8%増)となりました。
(シリコンウエハーリサイクル事業他)
シリコンウエハーリサイクル事業他は、主力事業は堅調に推移したものの、新規事業分野を含むH&S事業は開発費用等が先行的に発生し、売上高は23億4千5百万円(前年同期比16.9%増)、セグメント損失は4千6百万円(前年同期はセグメント損失1億2千6百万円)となりました。
②財政状態
当第3四半期連結会計期間末における総資産は676億1千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ74億1千2百万円増加いたしました。流動資産は408億3千8百万円となり、59億2百万円増加いたしました。主な要因は、受取手形、売掛金及び契約資産の増加18億2千万円、原材料及び貯蔵品の増加14億5千2百万円、商品及び製品の増加12億1百万円、電子記録債権の増加11億3千4百万円等であります。固定資産は267億7千4百万円となり、15億9百万円増加いたしました。主な要因は、投資有価証券の増加15億9千6百万円等であります。
負債は、215億5千9百万円となり、前連結会計年度末に比べ23億3千8百万円増加いたしました。流動負債は154億4千9百万円となり、21億1千2百万円増加いたしました。主な要因は、支払手形及び買掛金の増加13億8千2百万円の増加、流動負債のその他に含まれる契約負債の増加5億6千7百万円、1年内返済予定の長期借入金の増加2億2千2百万円等であります。固定負債は61億9百万円となり、2億2千5百万円増加いたしました。主な要因は、固定負債のその他に含まれる繰延税金負債の増加3億6千4百万円、長期借入金の減少1億3百万円等であります。
純資産は460億5千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ50億7千4百万円増加いたしました。主な要因は、利益剰余金の増加30億5千6百万円、為替換算調整勘定の増加15億2千6百万円、非支配株主持分の増加4億8千1百万円等であります。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の66.0%から65.6%となり、0.4ポイント低下しました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に関する重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、7億4千4百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の状況について重要な変更はありません。
(5)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。